フラヴィオ・ロッドロはバローロの中で最も長熟で偉大なワインを産み出す地区、モンフォルテ・ダルバにある小さな小さなカンティーナ。彼のカンティーナはモンフォルテの中心街を抜け、数々の有名な蔵の看板を横目にし、外れにひっそりとたたずんでいる。標高は500~520m。6haある畑はカンティーナの周りと少し離れたラヴェラの土地に分かれている。生産量は25000本程。彼の畑は東南から西南にかけて丘状に広がる素晴らしい景観である。土地は粘土質石灰土壌で天の恵みを十二分に受けられる土地であり、その恩恵を余すことなくワインに表現するブドウ造りを行っている。薬嫌いのフラヴィオは畑では農薬はもちろん、銅や硫黄の使用もとても少なく、芽が虫に食べられても、「薬を使うよりはいい」と自然を受け入れる。土は良く鋤き込んであり、土本来の良い香りが立ち上がり、長い年月をかけて丁寧に土作りをしてきた、彼の拘りがそこに現れている。発酵はステンレスタンクで自然酵母のみで行う。ドルチェット以外は熟成に古い小樽(バリック)を使用。それぞれの生産量が少ないが故の小樽使用、単純に容器としての観点から熟成に使用している。ワインはタンニン豊かで若いうちは固くひきしまり、閉じた印象すら感じるほどの果実味である。しかしじっくりと時間をかける事で、次第にほどけた果実味は柔らかくなり、素朴で親しみやすく、芯のある酸としっかりとした骨の様な軸が現れ、素晴らしいピエモンテの土地を表現したワインとなる。