1900年代初頭、モンテファルコの東側、サン・マルコの一角に誕生したフォンゴリは、創業者であるデチュー・フォンゴリが、オリーヴとブドウ栽培、豚や牛などの家畜業始めたところから、その歴史が始まる。現当主である4代目のアンジェロ・フォンゴリとレティーツィア夫妻は、曽祖父の代より受け継がれてきた農業とワイン造りの伝統を守りながらも、自らの味覚と好みに寄せた醸造を取り入れていく。それまでも畑ではもちろん農薬や化学肥料を使用せず除草剤なども使われていなかったし、肥料は自ら飼育する家畜の堆肥を必要に応じて施肥するのみ。もともと素晴らしいポテンシャルであった畑では、農業自体何一つ変える必要は無く、フォンゴリ家に伝わる仕事をそのまま継続。古き良き伝統を繋げてきた畑には、樹齢70年以上のサグランティーノ等が栽培されている。全部で40haもの広大な土地を所有するフォンゴリは、23haのブドウ畑、7haのオリーヴ、残りは原生林として自然をそのまま残している。醸造は、サグランティーノを除く全てのワインは、プラスティック桶(解放桶)にて自然酵母のみで発酵を開始。それぞれの醸し期間を経て圧搾、ベースとなるロッソ・ビアンコなど、翌年夏にリリースとなるワインは、容器へ移し替えるタイミングのみで澱を取り除き、ファイバータンクで少しの期間落ち着かせます。その後フィルターや清澄作業は一切行わず、亜硫酸もいかなる段階でも使わずにボトル詰め(ビアンコ フォンゴリのみボトル詰め前に少量添加)この土地が育む果実をそのままに、フォンゴリの歴史ともいうべき歩みをストレートに表現したワイン造りを推し進めている。伝統である曽祖父のワイン造りをベースとし、彼らにしか生み出せない味わいを追い求め、自然のままのワイン造りへと変革を開始したフォンゴリ。5年に及ぶ長い準備期間を経てリリースされたこの(新しい)伝統のワインは、今回が初のリリース。モンテファルコの新たな歴史の始まりと、彼らの硬い意志で復活した伝統を、その味わいから大いに感じていただきたい。